リバーシブル名古屋帯

九寸名古屋帯用反物を使って

その2 名古屋帯仕立て その1はこちら


いよいよ九寸の名古屋帯用反物を使って名古屋帯を仕立てます。

今まで松葉仕立ての名古屋帯もどきを何本も作りましたが、
全て胴とお太鼓部分を別に作り、つなぐか、付け帯にするかしました。

しかし今回使うのは、本物の名古屋帯用の反物です。
今までの方法を使うことは出来ません(もったいない)。

仕立ての本を参考にしましたが、
本に書いてあるのは当然ながらリバーシブル用ではありません。
違いは、
お太鼓は表から裏が見えないようにほんの少し表が大きくなっていること、
裏は縫い代が(透けて)見えること、

しかし、今回はリバーシブルの予定なので、
裏と表は同じ大きさにするつもり(そのほうが技術的に簡単)
また、裏も縫い代が透けて見えないように
縫い代は帯芯の間に入れて見えないようにします。


まず、帯の幅を決めます。
私の場合は幅30cm。今回は大柄の人用ということで幅32cmとしました。

本によると帯芯はできあがりより3mm狭く、つまり芯の幅は31.7cmに切ります。
長さはとりあえずそのままで、いきます。

帯地をできあがり寸法の32cmの幅に印を付け、アイロンで折り目を付けます。
下図の茶色線です。



胴に巻く部分は半分に折りますが、お太鼓部分を折らないように注意しましょう。

お太鼓はタレの終わりに折り返しの印(織りだし線)が織り込まれていて、
さらにその数cm離れて折り目が付いていたので、
織りだし線と折り目を合わせて端として、
その2本の線を合わせてWのように重ねます。

帯は胴に巻く部分は中表に縦半分に折り、
お太鼓部分は表地と裏地を中表に合わせます。



所々まち針を打って、ゆがまないようにし、
中心とできあがり線をしつけ糸で縫って、仮しつけとします。(あとで抜きます)

下図の同じ印どうしを縫い合わせます。



合わせた所で、縫い合わせますが、きせの分を2mmとして、
できあがりの線の2mm外側を半返し縫いにします。

ここで、角は、一針目縫わずにおきます。角をきれいに出すためです。

手先から10cmの所で返し口として20cm(長めに)縫わない部分を作ります。
返し口の端はしっかり2度縫いしてほつれないようにします。

ただし、手先の端はきせ分を4mmとします。
お太鼓の端はとりあえず、縫いません。

下図は折って合わせたお太鼓側の端。
茶色線(内側の線)ができあがりで赤線(外側の線)が縫い線です。




次は芯を付ける作業にうつります。

帯芯を本来合うところに重ねてみます。
透ける帯の場合は外から見えて良い側を表地に合わせます。

帯芯と帯地の中心を合わせ、仮しつけ糸でとじ合わせます。
さらに、端と中心の間くらい(端から5〜8cm)の左右2列も仮しつけをしておきます。
つまりお太鼓部分は合計3列、胴部分は2列になります。
(これをしなかったばっかりにゆがんでしまい、縫い直すことになりました)
本当にざっくりとした縫い方でいいです。あとで、この仮しつけ糸は抜き取ります。
ですから、縫い始めの玉は作らない方がいいでしょう。

私の場合はお太鼓部分もリバーシブルにするので、
お太鼓の端で長さに注意して、芯地のみ、切り離します。

平らなところで広げて、表地と芯地がゆがんでいないか、よく点検します。

いよいよ、帯芯を表地に縫いつけます。(これが一番、難しいところです)

裏返しにするので、本来合うところを合わせることはこのままでは、ほぼ無理です。
なので、縫い合わせると言っても、本来合うところを糸でつなぐと言う感じになります。

帯芯一枚を縫いしろ1枚と縫い合わせます。(2枚重なっている縫い代や芯地は要注意です)

下図の青い線(縫い代と帯芯しつけ線)どうしを荒く縫いあわせますが、
糸は緩いままで良いです。
青い線はできあがりの線に対し同じくらいの距離のつもりですが、厳密にする必要はありません。

横から見たところを図にしました。
黒い線が帯の表地、緑色が芯地です。
茶色線はできあがり線の仮しつけ糸、赤線は縫ったところ、青い線が芯地と表地をつなぐしつけ糸です。
できあがり線から端が縫い代になります。


さあ、ここで芯地が固定されたので、表に返す前に、仮しつけの糸を抜きましょう。



さあ、いよいよ、表に返します。
まず返し口から短い方(手先の方)を引き出します。角をしっかり出して直角に折ります。
反対側も引き出します。慎重にゆっくり引き出します。

お太鼓も出てきましたね〜♪



端はきちんと直角に折り出します。
返し口を本ぐけして閉じ、アイロンを掛けて完成です。
(抜き忘れた仮しつけ糸が、見えていないかも点検してください)

こんな感じでリバーシブルの帯になりました。

リバーシブルにしない時は、
裏側になる部分は内側気味、表になる部分を外側気味(裏をつり気味)に縫うと、
外から裏が見えません。


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