名古屋帯で引き抜き結び

本格派の角出し



名古屋帯で引き抜き結びによる
本格派角出しが出来ないかというご質問を頂きました。

そこで、私が通っていた着付け教室の教科書やら
名古屋の着物友達の方に教えていただいたことを参考にしてやってみました。

名古屋帯は袋帯と比較し長さが短いので引き抜きで角出しをするには工夫が要ります。
一番手っ取り早いのは全通柄で模様に上下のない名古屋帯を使い
胴に一巻きしただけで、結ぶことです。

さらに胴を一巻きにしたことにより長くなったタレをお太鼓に巻き付けるのです。
これで帯締めを使わず見た目も美しく、
安定した角出しができます。
帯揚げ、帯締めも特に必要はありませんが、
結んでいる間にゆるんだ帯を安定させるのにあった方が安心です。
では、どうぞ。


1  胴は一巻きだけします。手先は短めで良いです。
2  タレを上から下にまわして結びます。
3  名古屋帯の巾が広くなった辺りで引き抜くのを止めます。タレはまだかなり長いままです。
4  手先を反対側に倒します。
5  倒した手先の根本の上から下へと腕を入れ、手首を上に返し、すぐそこに触るタレの根本の1枚をつかんで、引っぱり出し、
6  反対の手で持った手先とともにぎゅっとしばると蝶々結びになります。ここのところは難しいのですが、説明の通りに実際やってみてください。コツがわかれば、以外と簡単。

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7  蝶々の羽をきれいに広げタレの輪を倒して、形を整えます。
8  タレ先をつかんで上に持ってきます。
9 帯の内側からタレ先を入れて、下に引き出します。
10 しわを伸ばして、お太鼓の大きさとタレの長さを決めます。
11 お太鼓の上縁に帯揚げを通して結ぶといい形になり崩れ防止になります。


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12 帯の上下を持って、おなかをへこませ、クルリと右回りに回します。着衣の乱れを直します。
   帯締めがなくてもいい形なります。もちろん、安定のためとおしゃれのために帯締めをしてもかまいません。
13 中の蝶々のお陰でいい感じのふくらみができます。
14 お太鼓の位置が低いので、夏は涼しいです。


私が通った着付け教室では半幅帯でこれと同じ結び方をしました。
ただし、お太鼓部分をとても小さくするので、
角出しには見えません。
むしろ蝶結びのようで、
あねさん結びという名前でした。

難しいように見えますが、慣れると、とても簡単に結べます。
おまけに着ていて楽です。
是非おためしください。


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