漆塗り蒔絵体験

2007/06/14


我らが仲間の輪島塗作家先生が

作品展示会会場において、

輪島塗の蒔絵技法を体験させてくださるというので

早速、参加してきました。



この日は久しぶりにしとしと雨が降りました。梅雨入りにふさわしい日です。

漆は乾燥するのに湿気が必要なので、誠に漆日和という感じです。



1 いろいろな道具が乗っている机を前にして内野先生が優しく見守ります。

2 まずお手本の下絵を透明プラスティックの板に挟んでその線をなぞるようにプラスティックにベンガラで赤くした漆で線を描いていきます。筆先は細く長く、うまく線が描けません。なかなか難しいです。

3 描き終わったら美濃紙の表(つるつるの面)を下にして描いた漆の絵の上に載せます。



4 美濃紙が動かないようにしっかり押さえた上から、幅広で毛脚のごく短い刷毛筆でささ〜っと撫でます。余分な漆を取り除くため写し取った美濃紙をティッシュに載せ同じ刷毛筆でさっと撫でることを2〜3回繰り返します。

5 余分の漆が取れたところで漆塗りのお皿にその美濃紙を載せ、刷毛筆で同じようにささっと撫でます。

6 美濃紙をはずしますが、お皿には何の変化もないように見えます。

7 漆の絵が転写されていると思われるところを細かい金粉のついた綿でささ〜っと撫でます。

8 あら、不思議!何もないように見えた所に金粉が付着して絵が浮き出てきました。

9 さあ、いよいよ本番です。先ほどの細い筆を使って、赤い漆で輪郭を描きます。

10 11

10 輪郭が描けたら少し太めの筆で輪郭の中を埋めていきます。漆がムラにならないように均一に塗ります。塗れたらまずは荒い金粉を花の芯にうまく振りかけます。かけた後、金粉が漆にしっかりつくようにさっと撫でておきます。

11 次に細かい金粉を全体に過不足無く振りかけて周りについた金粉を優しく刷毛で絵の上に寄せます。付着しなかった余分の金粉は集めて再利用されるそうです。

12 13

12 花と同じように葉の方も輪郭を描いてから塗ります。

13 葉の方にも金粉をかけますが、装飾用の荒い金粉は花より一段と大粒の物を使いました。13は私の作品です。

今回はここまでです。

この後しっかり乾燥させた後、この上に透明な漆を塗り、また乾燥させ、最後に木炭で研ぎ出すと美しい艶のある蒔絵が完成するのだそうです。

ただ、この次の日、手にぶつぶつが出てしまいました。私は漆とマンゴー(ともにウルシ科)、ギンナンの果実(成分が同じ)にかぶれるのです。やっぱりだめだったので、とても残念です。上塗り、研ぎ出しを次回、次々回に体験するつもりでしたが、止めることにします。



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